追跡という妄想(下調べ)2/3
昨日の女子小学生が気になり、今日は午後1の営業先に行く前に何気なく、女子小学生の家の前を通ってみた。
すると、家の前には車が置いてあった。
家に誰かがいる。
保険の営業マンは飛び込み営業が得意だ。
すぐさま、車を適当な場所に停め、資料の準備をして家に行った。
俺はハンカチを使いインターホンを鳴らすと、母親らしい人が出てきた。
俺「突然申し訳ありません。○○保険の○○という者です。少しお話だけさせて頂けませんか?」
母親「…いいえ…ウチはそういうの結構ですので。」
母親は迷惑そうな様子だが、こんな反応は慣れたものだ。それでも、俺がゴリ押ししていくと、母親はついに折れ、少し話を聞くだけなら…と玄関に入れてくれた。
俺「突然で本当に申し訳ありません。話を聞いていただくだけで結構ですので。私どもの商品は……」
俺は簡単に保険商品の説明を済ませて、俺が本当に聞きたかった事を聞き始める。
俺「ご家族は…?お子さんや年配の方はいらっしゃるんですか?」
母親「小学4年の娘が1人だけです。おじいちゃん、おばあちゃんは離れた所に暮らしていまして。3人家族です。」
俺「あ、そうですか。すると、お母さんは専業主婦でいらっしゃるんですか?」
母親「いえ、私は今日、たまたまお休みでして。」
俺「そうなんですね。たまたまのお休みにしつこくすみません。普段は何時頃までお仕事をしているんですか?あ、ご主人もお忙しい?」
母親「私は18時頃までで、主人は19時くらいまで仕事なので、帰る時間が少し遅くなってしまうんですよ。」
俺「なるほど。遅くまで大変ですね。」
…適当な話をして、俺は切り上げる。
俺「では、本当に突然すみませんでした。失礼します。」
ここの家は保険商品に興味はない。
そして、3人家族ということは……
充分な情報を手に入れた俺は、本来の営業先に行きながら、次の計画を立てるのであった。