追跡という妄想(きっかけ)1/3
俺は保険の営業マンをしているごく普通の会社員だ。
今日はいつもより早く外回りが終わり、会社に戻ろうと車を走らせていた。街中に向かって郊外の田舎道をしばらく走っていると、左側に車1台がやっと通れる程の細道が目についた。その細道の両端には2反(たん)程の田んぼが広がっていた。
そして、その道を赤いランドセルを背負った女子小学生が歩いているのが見えた。
[学校が終わったくらいの時間帯か…]と何気なく思い、その場を素通りした。
しかし、今日は外回りも早く終わったしな…さっきの小学生が気になる…と思い、適当な所でUターンをした。
そう。
俺は周りの誰にも言ったことはないが、実はかなりのロリコンなのだ。
さっきの田んぼに戻ると、小学生はもういなかった。しかし、田んぼの真ん中を通っている道が奥の方で右に曲がっていることに気がつく。
すぐさま、車で田んぼの真ん中を通り奥を右折する。
すると、小学生がいた。
その道は坂道になっていた。その坂道の途中で小学生の姿がまた消えた。急いで車で追うと、そこが小学生の家らしい。鍵を開けて家の中に入るのが見えた。
ここがあの子の家か…今の時間帯は車が無いみたいだ。親は居ないのかな?兄妹やおじいちゃん、おばあちゃんはいないのかな?
さすがにこれ以上は何も出来ないと判断し、家を特定した背徳感と満足感もあり、この日は帰社することにした。