巧みに利用するという妄想①
俺はとある中学校で教師をしている27歳、教師歴は5年目だ。教科は理科を担当している。
教師をしていると、少なからずとても親しくなる女子生徒が何人かできる。
ある年の夏休み、3年生の補習を行った。
補習者の中に、普段は普通に勉強ができ、補習を受ける必要のない生徒が混じっていた。その生徒の様子を見ていると、補習が終わるとやけに熱心に質問してくることに気がついた。
俺はある日、その生徒と2人きりになった時に聞いてみた
俺「君は、普段からよくできるよね?なんでこの補習に自主的にでてるの?」
生徒「…迷惑ですか……?」
俺「あ、いや、そういう訳ではなくて……君にとってこのレベルは、退屈じゃないのかな…と思って」
生徒「退屈なんかじゃありません!」
俺(やけにムキになるな…そんなにムキになって答えることでもないだろうに)
すると、その生徒はとても小さな声で、でも確かに聞こえる声で
生徒「………せ、先生と同じ空間にいると居心地がいいんです……」
俺「えっ⁈それはどういう……」
生徒「これ以上言わせないで下さい!」
そう言って彼女は教室から出て行った。
それからも、彼女は補習に出続け、補習後は毎回のように俺のところへ質問をしにきた。
そして、補習最終日
夏休みもあと少しで終わりという日も、補習後、俺のところにきた。
でも、今日は何か様子がおかしい…
生徒「……先生…ちょっとお願いがあるのですが……」
俺「何?…」
生徒「……先生の連絡先……LINEとか教えてもらえないですか?…」
俺「え⁈悪いんだけど、それはさすがにダメ!」
生徒「ですよね……いや、ダメ元だったので、当然ですよね。…じゃあ、2学期から先生のお邪魔にならない程度に、先生のところへ色々質問だけでもしに行っていいですか?」
俺「あー、それなら構わないけど」
生徒「ありがとうございます!」
こうして、とある年の夏休みが終わっていった。